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ウフィツィ美術館展

もうだいぶ前なのですが、上野の都美術館に行ってきました。
その頃の上野は、上野の森美術館で開催されていた「北斎」展が一番人気で、休日は入館待ちの長い列ができていましたが、私が見たいと思っていた展覧会は並ばずに入れたのです。

ウフィツィ美術館ボッティチェリ、と聞いてすぐにフィレンツェルネサンスと思い浮かぶ方は、ある程度「ルネサンス」について知識があるのではないかと思います。
イタリア・ルネサンスというと真っ先に出てくるのは「ラファエロ」「ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ」の三大巨匠でしょうか。しかし今回の「ウフィツィ美術館展」では、彼らが活躍するちょっと前、まさにルネサンスが最盛期に向かいつつある時期に活躍した画家の絵がメインに展示されました。

ウフィツィ美術館は、アカデミア美術館、サンマルコ美術館等と同様にフィレンツェを代表する美術館です。ルネサンス期にこの地を支配し、後のトスカーナ大公国の君主となったメディチ家の歴代美術コレクションを収蔵した美術館として有名です。メディチ家があったからこそイタリアのルネサンスが花開いたのですが、三大巨匠に先立ちまずはフィリッポ・リッピやボッティチェリらがメディチ家の庇護の元才覚を現しました。

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今回はサンドロ・ボッティチェリの代表作「パラスとケンタウロス」が34年ぶりに来日したのが目玉です。ボッティチェリというと、歴史の教科書に出ていた(いや、サイゼリヤの店内にある絵としても有名です!)「春《プリマヴェーラ》」と「ヴィーナスの誕生」の方がなじみが深いかもしれませんね。
でも、パラスとケンタウロスも、女神の柔らかい表情とケンタウロスの力強さが伝わってきます。
また、他のボッティチェリの作品は「聖母子と天使」が展示されましたが、やはり宗教画やギリシャ神話に基づく画などルネサンス時代の絵画は教会やキリスト教とは切っても切れない関係であることが分かります。

日本で西洋の宗教画をメインとする展覧会を開催しても、実際に信仰を持って見に来る人は欧米に比べるとずっと少ないでしょう。それでも、暖かい光を感じる画の中で優美な曲線で描かれた聖母子や天使、聖人たちの表情の前には敬虔な気持ちになってしまうのでした。