As You Like It     ~気が向くままに~

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エロール・ル・カインの魔術展

GWが始まったばかりの昭和の日、娘は塾があったので出かけた後、一人で横浜そごうの美術館に見に行ったのでした。

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エロール・ル・カインの魔術展」です。

あまり馴染みのない画家と思われるかも知れませんが、さくらももこさんのエッセイを読んでいる方ならかなりの確率で知っているかと思います。
女子大生の頃のあだ名が「まる子」だったワタクシは、ちびまる子だけでなく、さくらももこさんのエッセイを結構読んでいたのですが、その中に「憧れのまほうつかい」という作品がありました。
高校生の時に書店で見つけたエロール・ル・カインの絵本に一目惚れした時から、後に漫画家となってからイギリスにル・カインの足跡を辿る旅をするエッセイです。

エロールだなんて、エロの巻物みたいじゃないかと書かれていたので思わず噴き出してしまったのですが、エッセイにも紹介されたル・カインの絵は緻密で精巧でエキゾチックでとにかく綺麗で、私も後に「おどる12人のおひめさま」を購入してしまいました。

ル・カインの原画は以前にも清里で見たことがあるのですが、今回の展覧会では日本語訳が刊行されていない本も含めた多くの原画が出展されていました。

少年時代をインドやシンガポールで過ごしたル・カインは15歳の時には素晴らしい絵本を描いています。結局この本は出版されなかったのですが、その後の才能を充分に感じさせるこの手描きの絵本が初めて公開された他、映画のアニメーターをしていた頃の作品も多く展示されました。

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「イメージの魔術師」と称されるその絵はどれも見ているだけで虜にされてしまいます。東洋のエキゾチックさを感じる絵が多いのは、やはりアジアで育ったことが影響しているのかもしれません。でもそれだけでなく画面全体から温かさを感じる絵もあったり、イメージを思うがままに表現できる稀有な画家だったと思います。ガンの為に47歳という若さで亡くなってしまいましたが、もしお元気だったら今でも一線で活躍していたでしょう。

せっかくたくさんの原画を見ることができたので、ミュージアムショップでは絵ハガキではなく絵本を新たに購入しました。学校での読み聞かせボランティアで読みたいなと思っています。