As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ご冥福をお祈りします

シルバーウィークは、毎日秋晴れだったのに終わった途端に灰色の空に戻ってしまいました

さて、連休の最終日に飛び込んできた、北斗晶さんの乳がん手術のニュースと、その翌日の川島なお美さんの訃報…少し前にはキャスターの黒木奈々さんが胃がんで亡くなりました。
その前にも九重親方(千代の富士)が膵臓がんの手術を受けたりと最近は著名な方のがん罹患ニュースが相次いでいます。

北斗晶さんのケースは、毎年乳がん検診を受けていたのに関わらず、気がついた時には全摘出を余儀なくされる大きさだったということで、乳がん検診に果たして意味があるのかと話題になっているように思います。

腫瘍ができた場所が乳頭のすぐ裏だったので、なかなか気がつかなかったのですね。この場所は乳頭があるために、触ってもコリコリと固く触れますから、しこりなのか元からある組織なのか分かりにくいです。そして乳腺の開通する部分だから画像診断でも乳腺が密になっているために腫瘍との鑑別がしづらく、大きくならないと分かりにくいようです。また、乳がんで2cmの腫瘍だと温存手術できるケースが多いですが、これも乳腺が密に存在する乳頭直下の場合は難しくなります。乳頭を残すことも厳しいです。リンパへの転移のリスクを考えると全摘を勧められるのがやむを得ないケースとなります。これはできた場所が悪かった…ということでしょうか?
術後には抗がん剤治療が予定されていると報道されていましたが、リンパ節に転移があった場合には標準的な治療となるでしょう。乳がん治療での化学療法は、効果が認められている薬剤やレジメンが多く、以前に比べて副作用対策も進んでいるとは言え、実際に治療を受けることのしんどさは大きいものです。でも、同じ治療を受けて今元気に過ごしている体験者はたくさんいます北斗さんが治療を無事に終えられて、またテレビでご活躍される日が来るのを待っています。

川島なお美さんが9月始めにシャンパンのイベントで姿を見せたとき、あまりの痩せ方が話題となりました。前の年に肝内胆管がんの手術を受けられているので病状が深刻なのでは…と思いましたが、まさかこんなに早く旅立ってしまうとは思いませんでした。
ドラマの「失楽園」に川島なお美さんが出ていたとき、お相手役は古谷一行さんでしたが、実は私の父は少々古谷さんに雰囲気が似たところがありまして(笑)、だからよく「お父さんの相手も川島なお美だったら良かったのにね」と言っていたのです。かなり過激なシーンが出てくるドラマだったので家族で見ることはなかったのですが…
胆管がんは膵臓がんに次ぐ難治がんと言われており、化学療法の効果も乳がんほどはないでしょう。女優としての活躍を優先したいと思ったら化学療法は受けない、という彼女の選択は個人のものとして尊重されて良いと思います。
本人がどこまで効果を信じていたのか分かりませんが、民間療法を選択したことも納得の上でされたことでしょう。
でも、民間療法には効果があるというエビデンスはありません。患者さんの思いにつけこむような民間療法の療術士や健康食品の売り込み等には、なんだかなぁと思ってしまうものです。先日VOL-Netのイベントに来てくださった腫瘍内科の勝俣先生もツイートしていらっしゃいますが、なるほどなぁと思いました。

川島なお美さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。