As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ボクは坊さん。

今日オンエアされた「コウノドリ
テーマは中学生の妊娠だったのですが(随分前にNテレで放送された中学生の妊娠モノのドラマとは異なる結末で涙腺崩壊した人が多数だったようですが、結末をまだ見てないのでこれからネット配信で見ます)、途中まで見ていた私の動きが止まったのは、児童養護施設で育ったというコウノドリ先生が「ボクの母は乳がんで亡くなった」と言った時でした。
原作のマンガを全て読んだわけではないのですが、この設定はドラマ版で付け加えられたのでしょうか?コウノドリ先生の生みの母はシングルマザーで、妊娠中に乳がんが分かり、出産後に治療したものの他界、母以外に身寄りの無かったコウノドリ先生は施設で育つことになった、ということらしいです。現在ではたとえ妊娠中であっても化学療法や手術を受けることも病院によってはできるそうですが、乳がん細胞が大量のエストロゲンに暴露される妊娠時に存在すると増殖能力が一気にアップする、という状況は変わりません。たぶんこの後TBSのオンデマンドで本編の結末を見ると思いますが、コウノドリ先生が自分の生みの母の話をしたシーンを超えるものではないのかも、と思ってしまいます。だから、コウノドリ先生が育った施設の保母さん役(彼にピアノの楽しさを教えた)に、乳がん罹患後の出産経験がある綾戸智恵さんを抜擢したのか・・・と穿った見方までしてしまいましたが。

さて、映画の感想の前にちょっとだけ、と思って書いたのに長すぎてしまいましたね。これも興味津々で見に行った作品です。この作品もあまり多くの映画館でやっていないのが残念ですが・・・

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ボクは坊さん。 監督:真壁幸紀 主演:伊藤淳史山本美月濱田岳

祖父が他界したのをきっかけにそれまでの勤め先を辞め、四国八十八ヶ所霊場第57番札所の栄福寺住職となった白方光円(伊藤淳史)。24歳で足を踏み入れた坊さん生活には、初めて見る坊さん専用グッズや檀家の人たちとの関係など、知られざる驚がくの世界が広がっていた。さまざまな経験を積む中、自分にどのようなことができるのかを日々考えながら過ごしていく。
実在の住職・白川密成氏が実体験をつづり、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されたエッセイを映画化。祖父の死をきっかけに、24歳で実家である四国八十八ヶ所霊場第57番札所の栄福寺住職を務めることになった青年の奮闘を描く。脚本を、『つみきのいえ』などの平田研也が担当。試行錯誤しながら日々精進していく、僧侶の道を歩み始めたばかりの主人公を、『チーム・バチスタ』シリーズなどの伊藤淳史が熱演する。

私の友人の夫君に、由緒あるお寺の住職をされている方がいて、その方から「お坊さん業界あるある話」を聞いたことがあり、この作品の中にもそんなシーンがいくつも出てきて笑ってしまったのでした。お坊さんの必需品が載ってるカタログとか、お坊さんによる草野球チームとか、言われてみれば他業種にだってそういうモノはあるのだから、お坊さん業界にだけ無いわけがないのですけど・・・チーム名が「南無Stars」には笑ってしまいました。また、映画の舞台が愛媛、お遍路さんが来るお寺ということでそこもなかなか興味深かったです。主人公がお坊さんになる前に勤めていた書店が、現地では有名な「明屋書店」だったのにはクオリティの高さを感じました(笑)そして、お坊さんあるある話に笑うだけではなくて、いつかはお坊さんになるだろうと思っていたけど祖父の急逝により突然お坊さんになってしまった主人公が、知られざるお寺の日常や、檀家さん、長老さんとのお付き合いにとまどい、お寺の運営にとまどい、突然旧友を襲った悲劇から自分のなすべきことにとまどい・・・ひとつひとつの出来事を通して人間としても僧侶としても成長していく姿が、温かく感じられました。
四国八十八ヶ所参りは、弘法大師が歩いた道。だから高野山を総本山とする真言宗のお寺が多いのです(真言宗でないお寺もいくつかあります)。私が松山に帰った時に参詣したことのある石手寺もその1つです。今度帰った時に、またゆっくりお参りしたいなぁという気持ちにさせられました。