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年末年始修学旅行 その3 ~平等院鳳凰堂~

いやはや、新年早々「大びっくりぽん」ですよね
SMAPが解散するかもってニュース。NHKニュースでもやってましたね。
ホントに解散しちゃうのかなぁ・・・?なんだか想像ができないのですが。

さて、大晦日の神社仏閣めぐり、法隆寺を出た後はJRの「法隆寺駅」に行って、そこから「大和路快速」に乗り京都方面へ向かいます。
11時ちょっと前に到着したのは、京都と奈良のちょうど中間あたりにある「宇治駅
駅を出るとさっそくお茶の店がそこかしこに並んでいました
お昼近くなって、駅からの道も観光客で賑わっています。

源氏物語」でも有名な宇治川の近くに出ると、そこからは表参道が伸びています。
着いたところが、今日の第二の目的地「平等院鳳凰堂」です。
私がここを訪れるのは、人生で三回目。ここも高校の修学旅行以来となります。

平等院法隆寺に続いて、歴史の教科書に必ず登場するお寺ですが、
なんといっても「10円玉」に刻まれた建物としてその姿を認識していない日本人はいないのではないかと思われます。

平等院は絢爛豪華な貴族社会の中、死後に極楽浄土に往けることを願って、時の最高権力者であった関白藤原頼通が父の道長が所有していた別荘を寺院に改めて創建したものです。メインの建物、鳳凰堂は平安貴族の邸宅様式である「寝殿造り」となっており、建物の中央にご本尊の阿弥陀如来坐像があります。その周りには、雲中供養菩薩像52体が配され、来迎を描いた壁画は9通りに及ぶのですが、浄土教美術の頂点となっています。

もっとも、歴史の授業では「誰が建てたのか」が重要であって、私は娘と何度も
平等院を建てたのは誰?」
「違う!息子の方でしょ!」
というやり取りを繰り返していました・・・

歴女を自称するワタクシが「聞かれればいくらでも話せるぞ」と言えるのがこの時代のことなので(歴史が好きな女子というのは、洋の東西を問わず「貴族社会」が好きなケースが多いと思いますが)、鳳凰堂を見た後で平等院鳳翔館(ミュージアム)に入った時に、入り口に藤原氏系図が出ていたので、紫式部清少納言のことも含めて娘に改めて滔々と聞かせてやったのですが、だいぶ引かれていました・・・orz

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余談ですが、私は製薬会社に勤務していた時に、糖尿病をはじめとする代謝系の実験室にいたのですが、日本人で最初に「糖尿病患者」と認定されたのはいったい誰だったか?というと、これが平安貴族の中でも最も権力を持った藤原道長だった、ということは糖尿病に詳しい人の間では良く知られています。文献に残るその病状が、まさしく糖尿病とその合併症だったのです。当時の貴族の食生活や運動不足など、糖尿病にかかる要素がそろっているといえそうです。ちなみに、日本で初めて「国際糖尿病会議」が1994年に開かれた時の記念切手の絵柄には、道長インスリンの結晶が描かれています。



さて、平等院に話を戻しましょう。
25年前の修学旅行で見た鳳凰堂はこんな感じでした。

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創建以来焼けずに現存している鳳凰堂ですから、1000年近い歳月を経て、いつの間にか煤けたような色になってしまいました。
が、それを「創建当時の色にリニューアルする」という大規模な修復工事が2012年から行われ、2014年3月に再びお目見えしたのです。
今回目にした鳳凰堂はコレです

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おお、10円玉だまさしく「ザ・10円玉」だと言いながら、財布の中の10円玉を探しました(笑)
藤原頼通が目にしていた鳳凰堂はこんな色をしていたのです。
色鮮やかな建物の姿は池の水面にも浮かび、まさに極楽浄土行きの美しさです。

ご本尊の阿弥陀如来坐像を見るために中に入るためには整理券を取る必要があり、90分待ちだというので今回は諦めたのですが、たとえ入れなくてもミュージアムに行けば堂内の壁画や雲中供養菩薩像、そして屋根についているホンモノの鳳凰を見ることができます(現在、鳳凰堂の屋根についている鳳凰はレプリカで、これも創建当時から現存している鳳凰ミュージアムに移されています)。ちなみにこのミュージアムも、修学旅行の時は無かったよね?と思ったのですが、2001年にこれまでの宝物館に替わってオープンしたそうです。

鳳凰堂の外見をゆっくり見た後で、ミュージアムに入ってまたもじっくり鳳凰や雲中供養菩薩像を眺めました。


いろいろな楽器を奏でたり踊っている菩薩たちが雲に乗っているのです。

この菩薩たちを見て、割と最近似たようなものを見たよね、と思い出しました。

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ジブリ映画「かぐや姫の物語」で、月の天人たちがかぐや姫を迎えにやってくるあの衝撃的なシーンです。
来迎の壁画もこのシーンそっくりなのです。
もう、ミュージアムの中の菩薩たちを見ながら脳内にはあの音楽がエンドレスで回ってしまうわけです。


実際、あのかぐや姫のお迎えシーンは「雲中供養菩薩像をモチーフにした来迎図を使っている」とプロデューサーは話しているのだそうです。

ここもゆっくり立ち止まっていたかったのですが、まだまだ予定はありましたので1時間ほどで切り上げ、参道沿いのお茶屋さんで「茶団子のぜんざい」をいただいてから、老舗のお茶屋さんでお土産用のお茶や抹茶スイーツをゲット、宇治川を渡って今度は京阪電車宇治駅へ向かいました。

再びここに来ることがあったら、今度は平等院だけではなく「源氏物語ミュージアム」にも必ず行くぞと心に決めて。