As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ドラマの感想 2016年冬クール

4月も終わり、あっという間にGW到来です。
そして気がつけば春ドラマが始まって早くも2,3回過ぎていますので忘れないうちに冬ドラマの感想を書いておきましょう。

相棒Season14

右京さんの相棒が反町隆史さんになってから視聴率が下がり始めたから原因は反町なんだとネットで言われていましたが、なんだか脚本が以前と違ったなぁと思ったSeasonでした。犯人の動機が弱かったり、こじつけっぽい話があったりとあまり印象に残らない回もありました。そんな中でも個人的に気に入ったのは最終回の前の事件「神隠しの山」でしょうか。怪しすぎる陶芸工房・・・なんだか横溝正史の世界も入っているような。右京さんカラダ張ってましたね(笑)で、最終回でまさかの米沢さんが警察学校に異動?!反町さんがSeason15も続投するような終わり方ではありましたが、どうなるんでしょうね。

フラジャイル

長瀬智也さんのキメ台詞「僕の言葉は絶対だは、残念ながら「私、失敗しないので」ほどには世の中に浸透しなかったと思いますが、これまで取り上げられたことのなかった「病理医」が知られるようになったきっかけになればいいですね。私自身はがんの罹患歴があるから病理についての知識もポロポロと得てきたワケですが、乳腺組織が出てくる回もあったのでその時は身を乗り出して見てしまいました。外科医が主人公のドラマだと、手術室のシーンが毎回ハイライトになりますが病理医ではどうやって山場を作るのだろう、と思っていて実際手術モノよりは盛り上がりが弱いかな、とも思いましたが、検査技師の森井君をはじめとする周辺人物のドラマも描かれていてなかなか面白かったです。北大路欣也さんが出るとやはり引き締まりますね。

あとですね、昔製薬会社にいた人間として言わせていただくと、ドラマではMR(医薬情報担当者)の火箱さんが治験を勧めていましたけど、あれはありえないですね。MRさんの業務は主に市販された薬剤の営業、薬剤の情報提供です。学会や講演会でノベルティやお弁当を配布したり、というのはあるのですが(これが結構美味しい)。
そして治験はMRではなく臨床開発担当の担当なのです。製薬会社の開発部門がドクターに治験を依頼して治験計画を立てるわけですが、患者さんの前に出てきて治験薬を手渡すなんてことはありません。治験を受ける患者さんとドクターの橋渡しをするのは治験コーディネーターさんというさらに別の職種の方で、開発元の製薬会社とは別の治験実施会社に所属していることが多いのですよ。

ナオミとカナコ

視聴率は芳しくなかったようですが、このクールでダントツハマったドラマでした
「ガールズちゃんねる」の実況中継板を見ながら盛り上がってました(笑)
主役の2人が殺人を犯したのに関わらずツメが甘すぎるよとイライラして見ていましたが、それぐらいのほうがリアリティがあるんですよね。2人の計画では達郎は中国人の替え玉リンさんが化けて上海に行ってしまって帰国しないから少々甘くても大丈夫、ってことになっていたのでしょうけど。

そして何と言ってもインパクトがあったのが高畑淳子さんの李社長
吉田羊さんのカラシ色のコートの恐ろしさ
録画した第一話を見ていて、高畑さんの「~のコトね」を聞いた瞬間「このドラマ、最後まで見届けよう」と決意しました時には怖く、時にはホロリとさせ、時にはパンダの耳あてで笑いを取って面白かったです。そして、真田丸ではフツウに日本語をしゃべっているのもおかしかったです。
最終回では「逃げて逃げて~逃げ切って上海行って」とドキドキバクバクしながらテレビの前にかじりついていましたが、ラストシーンは見てのとおり。やっぱり殺人犯が逃げ切ってメデタシメデタシ、とするわけには倫理上NGだからああいう終わり方にするしかなかったんですよね。そういえば、原作本では逃げ切ったとなっていますが、あれも出国ゲートをくぐったところで終わっているのでやはり想像にお任せするしかないのでしょう。

あさが来た

今さら何も意見できますまい。すべてにおいて素晴らしかったと思えた朝ドラでした。朝ドラにふさわしい爽やかなテイストながら、歴史上の人物も登場して重厚さもありました。五代さまのブレイクは言うに及ばず新次郎さん、惣兵衛さんとツボにはまる男性陣が心をつかんで・・・脚本家さんの技ですよね。
ドラマの後半は、あさと一人娘の千代の対照的な生き方の違いが描かれていましたが、あの時代には千代のような生き方が圧倒的多数で、だからこそあさの先駆者的な生き方がドラマになったのですが、じゃあ千代はダメなのかというとそうではなくて、大勢の千代みたいな女性の支えもあってあさのような時代のパイオニアが生まれたわけです。最後にはお互いを認め合う終わり方になっていたのは良かったなと思いました。
ただ・・・ひとことだけ書きますと、あさが成澤先生と目指した「女子の高等教育、大学校」についてですが、確かにある程度の規模があって組織的な教育機関である「女子大学校」はドラマに出てきた日の出女子大学校のモデル校が日本で初めて設立されたものです。しかし同時期には、もっと規模の小さい私塾的なものでしたが高等女学校卒以上を対象とした女子の教育機関もありましたし、私学だけでなく官立の女子高等教育機関もありました。もっとも官立の学校は師範学校として設立されたので、あさが目指した女子大学校とは創立の理念が違うのですが・・・ワタクシ自身はかつての女子大学校、師範学校と両方受験して、師範学校の方へ進んだ過去があるのです