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美の祝典 ~伴大納言絵詞~

先日、喘息外来で都内へ出た際にもうひとつ見たい展覧会があって「出光美術館」へ行ってきました。

帝国劇場のビルに入っている出光美術館に行くのは初めてですが、この前の浮世絵に続いてこちらも8日で終わってしまう展覧会だったので、できれば見ておきたかったのです。
それは、10年ぶりに公開されるという国宝「伴大納言絵巻」でした。

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伴大納言絵巻は正式には「伴大納言絵詞(ばんだいなごんえことば、とものだいなごんえことば)」といい、平安時代前期、866年に起こった「応天門の変」を題材にした絵巻物です。
源氏物語絵巻』、『信貴山縁起絵巻』、『鳥獣人物戯画』と並んで四大絵巻物と称され、応天門の変からおよそ300年後に後白河法皇が常盤光長(ときわみつなが)に描かせたものとされています。

作品にはストーリー展開があり、

1. 放火され、炎上する応天門
2. 無実の罪で捕らえられる左大臣源信と、嘆き悲しむ女房ら
3. 舎人の子供の喧嘩から、真犯人が発覚
4. 伴善男を捕らえる検非違使の一行

という構成になっています。

そしてこの絵巻は上巻、中巻、下巻に分けられていて、3回に分けて展示されています。5/8までの期間は上巻です。応天門が放火された場面で圧巻でした。主人公の伴大納言はもちろん時の帝清和天皇や無実の罪をきせられる左大臣や権力者藤原良房など登場人物がいきいきとそして細かい線まで丁寧に描かれていました。

また、この期間内は「やまと絵の四季」をメインテーマに、平安時代から江戸時代までの四季を描いた作品や浄土への祈りを現す宗教画の数々を見ることができました。

機会があれば伴大納言絵巻の中巻、下巻もぜひ見ておきたいものです。