As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ミッキーマウスの声

伊勢志摩サミットとオバマ大統領の広島訪問が無事に終わりましたが…

先日「ちびまる子ちゃんのお姉ちゃん」役だった声優の水谷優子さんが亡くなられました。

ちびまる子ちゃんのアニメが始まってから26年、TARAKOさんのまる子とともにお姉ちゃんの声は日曜夕方おなじみの声でした。水谷さんを51歳の若さで旅立たせてしまった原因は乳がんでした。2014年頃に手術されたということですが、良くない顔付きのがんだったのでしょうか…そして生前最後の収録は亡くなる1ヶ月ほど前のことでした。乳がん薬物療法での病気のコントロールにより、再発しても長期間に渡り生活を維持することが可能な印象を受けます。それをもってしても、早すぎる…ご冥福をお祈りするばかりです。

ところで、水谷さんの声といえば、まる子のお姉ちゃん、ブラックジャックピノコが有名ですが、それと並んで「ミニーマウスの声」の主としても知られています。
ウォルト・ディズニー公認の声優さんとして、映画やDVD等はもちろんのこと、東京ディズニーランドやディズニーシーのパーク内でのミニーちゃんの声も全て水谷さんが担当しています。


 では、ミッキーマウスは誰がやっているのだろう?
「やぁみんな、夢と魔法の王国にようこそ!」なんて言うミッキーマウスのあの独特の声は脳裏にすぐに浮かぶのですが、実はこれまでその声を誰が出しているのか考えたことはなかったのです。だからさっそくググってみたところ、ミッキーマウスの声は声優さんではない、予想外の方がやっていることが判明しました(ディズニーに詳しい方にとっては周知のことと思いますが)。

ミッキーマウスの声を担当されているのは国文学の大学教授だったのです。
千葉にある東京成徳大学の青柳教授が、副業としてウォルト・ディズニー公認のミッキーマウスの声を務めていました。
本業が国文学の教授ですから声優として他の役はありません。ミッキーマウスだけなのです。どういう経緯で青柳教授がミッキーマウスになったのかは分かりません。

ホームページによると青柳教授のご専門は漢詩の「朗詠」や和歌の「披講」です。平安時代の貴族たちは、漢詩や和歌をただ読み上げるだけでなく唄うように詠んでいましたが(お正月に皇居で開かれる歌会始のイメージ)、それの研究をされているようです。
YouTubeには青柳教授がアップした「披講の研究会」の動画があったのですが…



ディズニーとは180度違う世界が繰り広げられていました。

教授は平安貴族そのままに和歌を朗々と読み上げているのです。娘がこの動画を見て「ミッキーの声で『この世をば』ってやればいいじゃん」と言ったので噴き出してしまいました。ミッキーマウスと平安貴族、あまりにも結びつきません・・・



その日の青柳教授のTwitterには、ただ水谷さんの旅立ちを悼み、冥福を祈るシンプルな言葉が綴られていました。
長い間のパートナーの旅立ちに、飾った言葉ではないけれど、思いだけが伝わってきました。
それを読んだ私は改めて水谷さんのご冥福を祈り、その声を忘れることはないだろうと思ったのです。