As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

FAKE

まさかの台風10号リターンズで2週連続で大荒れの天気になりそうですが、8月最後の週末もイマイチな天気で終わってしまいました。
そして夏休みも終わり、明日から学校が再開します。

そんな夏休み最後の日ですが、まだ夏休み前に見た映画のレビューを書いていませんでした。
この作品はいわゆる単館上映系でしたので、見られずに終わるかと思っていたら、キネカ大森という昭和っぽい映画館でやっていたので初めて行ってみたのでした。

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FAKE 監督:森達也

2014年、聴覚障害を抱えながら「鬼武者」などのゲーム音楽や「交響曲第1番“HIROSHIMA”」といった作品により「現代のベートーベン」と呼ばれた佐村河内守が、実は耳は聞こえており、作品はゴーストライターの作曲だったと報道される。騒然とする状況で、自宅での撮影に応じた佐村河内は……。
『「A」』『A2』などの森達也によるおよそ15年振りの単独監督作で、2014年のゴーストライター騒動で話題になった佐村河内守を追ったドキュメンタリー。聴覚障害を抱えながらゲーム音楽などを手掛け称賛されるも、ゴーストライターによる楽曲を自作として発表していた佐村河内の素顔に肉薄する。世間を騒がせた男に密着した森監督が、本作を通じて訴えたいことは何なのか期待が高まる。


2年前のソチオリンピック直前に、高橋大輔くんのSPの曲がまさかのゴーストライターによる作曲だと判明して世の中が騒然となったあの事件ですが、その後ゴーストライターだった新垣さんは瞬く間に売れっ子?!となりました。
しかし、NHKスペシャルで現代のベートーヴェンとまで言われ、クラシック音楽では異例のヒットを記録した佐村河内守氏は、その後は一度記者会見を開いたきりで(その時にバッサリ髪を切って、髭も剃ってまるで別人のような顔で現れたことも話題になった)、表舞台に出てくることはありませんでした。
ゴーストライターによる作曲そのこと自体は犯罪ではありませんが、人々を落胆させ欺いた報いは大きいものです。
この事件が発覚してから、私たちは「告発者の視点」や「新垣氏の視点」からの情報を元にして事件を捕らえていたと思います。しかしこの作品にはそれらの視点は全く無い、ただ淡々と佐村河内氏の側からとらえています。「本当は聴こえているのでは?」とされていることの実際や、夫婦の日常、そしてラストの新たな曲を生み出す場面…既に多くのフィルターがかかってしまっているから、こちらの見方は早々には変えられない。でも同じ事象でも、立場が変わると全然違ったモノに見えるなぁと実感しました。

まぁ…真実を知っているのは佐村河内家の猫なんだろうなと思います。
そして、奥様が用意するケーキがどれも美味しそうでした