As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

少女

今年の秋は、いわゆる「秋晴れ」の日があまりなく、気温がアップダウンしているうちに急激に冬に突入してしまいそうです。
そしてこの映画を見たのは、もちろんこんなに寒い日ではなかったのですが・・・

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少女 監督:三島有紀子 主演:本田翼、山本美月

親友の死体を目撃したという転校生の話を聞いて以来、由紀(本田翼)は人が死ぬ瞬間を見たいと思うようになる。高校2年生の夏休みに小児科病棟でボランティアを始めた彼女は、余命わずかな少年たちに近付き自らの願望をかなえようとする。一方、由紀の親友でかつていじめを受けた敦子(山本美月)は、人が亡くなる瞬間を見れば生きる気力を取り戻せると考え、老人ホームでボランティアを始めるが……。
映画化もされた「告白」「白ゆき姫殺人事件」などで知られる人気作家・湊かなえの小説を実写映画化。『繕い裁つ人』などの三島有紀子監督がメガホンを取り、「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を持つ2人の女子高生が過ごす夏休みを、それぞれの視点で描く。親友同士のヒロインを、テレビドラマ「恋仲」でも共演したことのある本田翼と山本美月が演じ、17歳という多感な時期の心の闇を体現する。

湊かなえさん原作の映画は「告白」「白ゆき姫~」ともに見てきたので、これも見たいなぁと思っていました。きっと見終わった後は謎解きの爽快感には浸れず、重苦しさが残るんだろうと思っていても。

そして実際、見終わった後には重苦しさが残りました…

今回は、かなり話が前後して展開するので、正直途中までは話の繋がりがつかめずに良く分からなかったのです。冒頭でいきなり少女が自殺するシーンがその後の本筋とどう繋がっているのだろう…?でも最後にピタリと納得がいったし、途中で良く分からないままに広げた伏線もうまく回収されていたのは、原作が素晴らしいからか、脚本がしっかりしていたからか…

主役の少女を演じた二人は、正直「少女」という年齢を過ぎていたのですが、違和感はありませんでした。あえて二十歳を過ぎた女優さんを主役に起用したわけは、その年代を過ぎてからの方が、大人の世界に反発し、「人が死ぬところを見たい」という刹那的な願望を持ち、そんな自分に酔って行動してしまう彼女たちの心の動きを理解して演じられるのではないかと考えられたからだそうです。

また、原作では彼女たちが通う高校は女子校ではないそうですが、映画では「ごきげんよう」のミッション系女子校。確かにこのテーマだったら、男子生徒がいない空間の方が物語が絵になります。しかし、一昨年頃から回っている娘の受験校探しの中で、なんだかこの学校に似た雰囲気のところもあり、もしかしたら卒業生がこの映画の制作に加わっていたりして…と思ったのでした。