As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ダリ展

この週末は金曜日の暖かさから一転して、この時期らしい気温になりました。
成宮寛貴さんの突然の引退報道を聞いて相棒のことが真っ先に心配になり、大隅教授はノーベル賞授賞式に出席し、韓国は騒然となり、そしてGPファイナルに釘付けに-
しかしもともとスケートにはあまり興味は無い夫は

「今年の羽生の衣装はルマンド『ネギ』だな・・・」

とボソリと言っただけでした・・・

さて、前回の記事「国会カレー」の次に出かけたのが六本木の国立新美術館で開かれている「ダリ展」です。

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スペインの画家サルバドール・ダリの2006年以来となる回顧展で、ガラ=サルバドール・ダリ財団、サルバドール・ダリ美術館、国立ソフィア王妃芸術センターのダリコレクション、そして日本国内の主要作品が約200点揃ったという過去最大規模の展覧会でした。

平日なのに入場まで20分待ち。
終わりまであと1週間をきっていたからあれだけ混んでいたのでしょうか?きっとこの土日は大変な混雑だったと思います。

さて、ダリというとワタクシは真っ先に

「時計がぐにゃりとひん曲がってる」

絵が思い浮かびます。
中学の美術の教科書に出てきた「記憶の固執という代表作です。

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 しかし、ダリの初期作品から晩年までの作品を見ると、彼の画風が様々に変化していったことが分かります。
フランス国境に近い街に生まれたダリは、少年の頃は故郷や夏の休暇を過ごしたカダケスの風景をポスト印象派風に描いています。
マドリードの美術学校には入ってからは学生寮での多くの親交から、キュビズムの影響も受けるようになり、やがてパリに活躍の場を移します。
ここで、アンドレ・ブルトンを中心とする「シュルレアリスト・グループ」に入るのですが、私たちにとって馴染みの深いダリの作品はこの時代に生まれたものです。
しかしやがてブルトンと不仲になり、第二次世界大戦が勃発して、アメリカに亡命します。アメリカではシュルレアリズムの名士として活躍し、舞台美術や映画、ファッション、宝飾などの仕事もしていました。
戦後はアメリカから故郷に戻り、カダケスに近い漁村に居を構え、その作風も古典的なものに回帰していきました。
これまでダリのほんの一面しか見えていなかったことが良く分かります。

とは言え、ダリ展ですからついつい「時計」を探してしまったのですが、展示作品の中にいくつかありました。
また、アメリカ時代の作品で、あの「記憶の固執」の時計がピンになったものもありました。

しかし、今回「記憶の固執」のホンモノは出品されませんでした。
今回の回顧展に出品されたダリ・コレクションの中に「記憶の固執」は無かったのです。ニューヨーク近代美術館蔵とのことなので、いつか来日することを期待しましょう。