As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

海賊と呼ばれた男

この1週間もひたすら寒かった・・・まあ1年で最も寒い時期なのだから仕方ないのですが。
さて、こちらは2016年最後に劇場で見た作品です。


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敗戦後の1945年、東京。石油会社・国岡商店を率いる国岡鐡造(岡田准一)は、日本人としての誇りを持ち復興に向け突き進もうと従業員を激励する。戦後の混乱期にもかかわらず誰も解雇せず、独自の経営哲学と行動力で事業を広げていく。やがて欧米の石油メジャーも国岡を警戒し、その強大な包囲網により同社の石油輸入ルートは全て封鎖されてしまうが……。
第10回本屋大賞を受賞した百田尚樹のベストセラー小説を、『永遠の0』の監督&主演コンビ、山崎貴岡田准一のタッグで実写映画化。明治から昭和にかけて数々の困難を乗り越え石油事業に尽力した男の生きざまを、戦後の復興、そして世界の市場を牛耳る石油会社との闘いを軸に描く。日本人の誇りを胸に、周囲の仲間との絆を重んじた主人公・国岡鐡造の青年期から老年期までを、主演の岡田が一人でこなす。共演は吉岡秀隆鈴木亮平綾瀬はるか堤真一ら豪華俳優陣がそろう。

「永遠の0」を見たときになんともいえない感動があったので、今度もまたドキドキするスケールの大きさとダイナミックな展開が待っているのだろうと思っていました。
その予想は概ね当たってはいましたが、「永遠の0」を超えるほどではなかったかと思います。

物語は終戦直後から始まり、その時点で主人公はかなりいい年齢になっているのですが、話は若い頃と物語スタート時を行ったり来たりして進みます。
出光興産創業の出光佐三氏をモデルとしたこのドラマ、石炭全盛の時代に、これからは石油の時代がくると先見の明を持ち、巧みなビジネスを展開し、社員たちを惹き付けていきます。海で漁船用の油を売るシーンに始まり、満鉄に凍らない油を持ち込んだり、戦後に海軍のタンクの底に残った油を処理するという他の同業者がやりたがらない仕事を請け負いやり通して業界に復帰し、そして最大の見せどころはイギリスの包囲網を突破して見事にイランから石油を持ち帰ってくるシーンでしょう。プロジェクトXモノのシーンが次々と展開される、これぞ男が憧れる生き方なのかなぁと思います。

でも、今はそんなに勢いのある時代ではありません。それなのにみんな疲弊しています。男性がプロジェクトXみたいに仕事に打ち込むとブラック企業になってしまうし、女性の社会進出や子育てと仕事の両立ができず、少子化が進んでしまいます。ワークライフバランスイクメン、女性が輝く社会ーそれはそれで今の世の中に求められていることだから、スクリーンの中の國岡商店の店長とその仲間たちに惹かれるのだと思います。