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彼らが本気で編むときは

週が明けてから急激に気温が上がり、桜も満開になりました
開花が早かっただけに入学式まで持たないかと思っていましたが寒の戻りのおかげでよかったです
さて、この映画を見たのはまだまだ冬の空気に支配されていた2月終わりのことでしたが・・・

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彼らが本気で編むときは、 監督:荻上直子 主演:桐谷健太生田斗真

母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。
かもめ食堂』『めがね』などの荻上直子監督が手掛けたオリジナル脚本の人間ドラマ。母親に育児放棄された少女が叔父とその恋人に出会い、共同生活をするさまを描く。女性として人生を歩もうとするトランスジェンダーの主人公リンコを生田斗真、その恋人マキオを桐谷健太、母親に置き去りにされたトモを子役の柿原りんか、彼らを取り巻く人々を、ミムラ田中美佐子小池栄子、りりィ、門脇麦が演じている。

私が好きな荻上直子監督の最新作です。前作の「レンタネコ」から4年半ぶりでしょうか?
荻上監督の作品は「かもめ食堂」に始まり、「トイレット」も「レンタネコ」もゆったりとした独特の時間の流れがあったように思います。そして、小林聡美さんや片桐はいりさんなど、いかにも荻上作品な方々が出演され、その独特な空間を彩っていました。しかし今回は、これまでの荻上作品の常連さんは出演されません。主役は生田斗真さんに桐谷健太さん、そして何より生田さんがトランスジェンダーの女性役を演じるということで話題になっていたのでした。
このインパクトある設定ばかりが話題になって荻上作品らしさが失われていたらどうしようと一寸不安を抱えながら見に行ったのですが、やっぱり荻上さんの空気は健在でした。
リンコさんは実に自然な感じで作品に溶け込んでいました。トモちゃんが最初戸惑いを隠せないでいながらも次第にリンコさんを受け入れていく姿や、マキオさんと3人での海辺のシーン、そしてまだまだトランスジェンダーを受け入れているとはいえない社会・・・難しいテーマなのですが、何もかも包み込むような空気がありました。それでも、最後はトモちゃんは迎えに来た母のところへ戻っていくのです。別れのシーンは辛いものがありましたが、リンコさんと過ごした日々はこれからの彼女の人生の大きな力になるのではないでしょうか?