As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

メッセージ

週末から、いよいよ今年の猛暑シーズンが到来したようです
猛暑と同時に日本各地で「これまでに例のない大雨」が相次いでいます・・・

さて、映画のレビューもまだまだ溜まっています。
こちらは5月末に見たものです。もう2ヶ月近く経ってしまいました。

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メッセージ  監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……。
テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基にしたSFドラマ。球体型宇宙船で地球に飛来した知的生命体との対話に挑む、女性言語学者の姿を見つめる。メガホンを取るのは、『ボーダーライン』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ザ・マスター』などのエイミー・アダムス、『アベンジャーズ』シリーズなどのジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーらが結集する。

未知との遭遇」みたいな宇宙人が出てくるスケールの大きなSFだろうと思っていたら、全然違っていた!と、ストーリーそのものよりも見終わったときの新鮮な感覚に感動しました。原作が短編小説で(それこそ星新一のショート・ショートみたいな作品で)、それを映画としてここまで膨らませたこともスゴいなと思いました。

主人公の言語学の女性教授は、一人娘を亡くした後にこのプロジェクトに参加することになった…予備知識が無く見始めたらそう思ってしまうでしょう。私もそう思って鑑賞していました。しかし、宇宙人の言語を理解するうちに不思議な感覚が次々と起こってくる…物語の終盤、この宇宙人の言語を理解したいだろうか?と考えたとき、直感的にそれはイヤだと思いました。世の中にはその時になって始めて知りたいことの方が多いからです。でも、主人公たちは宇宙人の言語を理解したからこそ地球の危機を救うことができた、そして「結果が分かっているからって、出会わないなんてできない」から、気持ちのままに会いたい人(一人娘)に会おうとするのです。

なんとも言えない不思議な余韻が残った新しいタイプのSF映画でした。