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「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

鎌倉文学館

今日はでしたが、久しぶりに最高気温が30℃を下回ってしのぎやすくなりました。

7月初旬の今日みたいな雨の日、仕事がなかったので行ったのが「鎌倉文学館」です。
鎌倉駅からバスに乗るか江ノ電由比ヶ浜へ出ると良いそうです。

湘南、鎌倉、逗子、葉山といった地域は今でもちょっとハイソなイメージがありますが、戦前には華族をはじめとする上流階級の人々の別荘が建ち並んでいた場所でした。
皇族方が静養に訪れる葉山御用邸は明治時代にできているし、かつては鎌倉にも御用邸があったそうです。
そして、鎌倉文学館はかつては「加賀百万石」の前田家が明治時代に侯爵家となった後、昭和初期に建てた別宅だったのでした(もっと前から別宅はあったのですが、関東大震災で全壊したので建て直したのです)。戦後はデンマーク公使や佐藤栄作首相の別荘としても使われましたが、その後鎌倉市に寄贈され、文学館となったのです。

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建物内に入ると、まずは常設の展示があります。
鎌倉は明治から現在に至るまで、多くの文士が住んでいたことでも知られています。川端康成大佛次郎志賀直哉などが有名です。常設展では鎌倉在住の文学者の原稿や作品等が展示されていました。
現在も鎌倉在住や鎌倉が舞台となった作品は多くあります。先日までNHKの夜ドラマになっていた「ツバキ文具店」や綾辻行人さんの本格ミステリー「時計館の殺人」などです。

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そして、企画展が「漱石からの手紙、漱石への手紙」
夏目漱石の書簡のやりとりです。
夏目漱石は鎌倉に住んではいないのですが、子どもたちが鎌倉の別宅に滞在していたり、鎌倉在住の文士たちとのやり取りもありました。そして、今回の展示会のいちばんの目玉は「正岡子規との手紙」
子規の東京の家は根岸にありますが、鎌倉にも好んでよく来ていました。子規が故郷の松山に帰省して、戻ってくる時に鎌倉に滞在することもあったようです。
夏目漱石の書簡のやりとりは、それ自体が手紙文学と言われる程に豊かな感性がにじみ出ています。妻の鏡子に送った手紙には「朝は9時、10時まで寝ていないように」という文がありました。自分に置き換えると頭が痛いですね…

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文学館の庭はバラ園になっています。
もう盛りを過ぎてしまいましたが「鎌倉」という品種のバラもあるのです。

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そしてビックリしたのは、文学館の敷地のすぐそばに前田さんの家があったことでした。加賀百万石の末裔の方々のお住まいでしょう。文学館ほど大きくはありませんでしたが、それでも充分過ぎるほど広いお宅に見えました。