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三度目の殺人

昨夜、というか今日未明まで風が吹き荒れていましたが、日中は心地よい秋晴れとなりました
こちらの作品を見たのは9月の終わりごろだったので、もう2ヶ月近く前、まだまだ暑かった頃です。

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三度目の殺人 監督:是枝裕和 主演:福山雅治役所広司広瀬すず

勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが……。
第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作『そして父になる』の福山雅治是枝裕和監督が再び組んだ法廷サスペンス。死刑が確実視されている殺人犯の弁護を引き受けた弁護士が、犯人と交流するうちに動機に疑念を抱くようになり、真実を知ろうとするさまを描く。弁護士や検事への取材に加え、作品の設定通りに実施した模擬裁判で出てきたリアルな反応や言動などを脚本に反映。福山ふんする主人公が弁護を担当する殺人犯を、役所広司が演じる。

そして父になる」の福山雅治さんの記憶がまだ鮮明なので(そして本当に福山さんは父になりましたが)、再びの是枝監督との作品、ぜひとも見たいと思っていました。
福山さんは「勝つこと」至上主義⁉な弁護士を演じています。そこに舞い降りた依頼が「前科のある男が犯した二度目の殺人、死刑判決は限りなく免れないであろう」というもの。最初はそんな不利な依頼を何で?という思いばかりで「少しでも情状酌量」の戦法で犯人と向き合ったのですが、この犯人が言うことがコロコロ変わって何を考えているのかサッパリ分からない…次第に彼は三隅というその犯人に興味を持ち始めるのです。
三隅と父との因縁や三隅と殺された社長の娘との間の秘密…やがて彼は殺人の意図にたどり着き、結果死刑判決が出るしかない方向へと導いてしまいます。でもそれは、被害者の娘を守りたいという犯人の意思を尊重するものでしたが…
そういえば「そして父になる」ではリリー・フランキーさんの演技が主役を食ってしまう勢いでしたが、この作品も物語が進むにつれて、犯人三隅を演じた役所広司さんがどんどん存在感を増してきました。被害者の娘を演じた広瀬すずさんも難しい役を熱演だったと思います。
結局三隅には死刑判決が下ったのですが、彼が守りたかった秘密は守られました。タイトルの「三度目の殺人」とは、三隅への刑の執行を意味するのでしょう。「関ヶ原」で見せた人の心を惹き付けて離さない狸親父ぶりとはガラリと変わった役所広司さんに圧倒された鑑賞となりました。