As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

カメラを止めるな!

1ケ月もの間雨が降らずにカラカラな日が続いていましたが(史上最高のインフルエンザ流行にこの乾燥も一役買っているでしょう)、ようやく雨が降ったかと思ったら雪、明日積もっていたら困っちゃいますね。
今日の映画レビューはいまだにあちこちで話題になっているこの作品です。


人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき……。
監督・俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト第7弾となる異色ゾンビムービー。オムニバス『4/猫 -ねこぶんのよん-』の一作を担当した上田慎一郎が監督と脚本と編集を務めた。ゾンビ映画を撮っていたクルーが本物のゾンビに襲われる様子を、およそ37分に及ぶワンカットのサバイバルシーンを盛り込んで活写する。出演者は、オーディションで選ばれた無名の俳優たち。

インディーズ作品だったのに、ジワジワと評判が高まり、上映館が次々と増え、2018年一大ブームを生み出したサクセスストーリーな映画です。出演者もこれまで聞いたことがない俳優さんばかりだったのに、一躍引っ張りだことなったり、大手の事務所に移籍したりと、この映画に関わった多くの人のその後を変えて行きました。

インディーズな作品ですから、その画面はお金をかけずに作られたことが随所に感じられます。そんな画面で始まる冒頭の「ゾンビ🧟ワンカット映画」は、素人っぽさ炸裂だし、手振れが酷すぎて酔うし、何が言いたいのかよく分からない…しかし、この冒頭ワンカット映画だけは、決してネタバレされる前に見てください。この最初の30分をきちんと見られるかどうかでその後が面白いか決まってきます。
だからこそ、この作品は映画にすることに意義があるのです。これがテレビドラマだったら「なんじゃこりゃ?酷すぎる」と言ってチャンネル変えてしまう人ばかりでしょう。映画館だから最後まで付き合わされて、その後に面白さがピタリとハマってくるのです。これぞ映画ならではのエンターテイメント。お金をかければいい作品ができるワケではないのだと改めて思わされる映画でした。
ただし、冒頭ワンカット映画はそれなりに手振れしますので、ディズニーランドのスターツアーズが画面酔いしてダメな人はちょっと映画館は厳しいかと思います。