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ビブリア古書堂の事件手帖

ハラハラドキドキのフィギュアの世界選手権、男女ともフリーが終わりました。
いやもう「プーさんの玉入れ」状態でしたね羽生くんの渾身の演技に感動したあとであの「リンク玉入れプーさん」には笑ってしまいました。

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そして、あの玉入れのせいでほとんどアップもできずにサラっと完璧な演技であっという間に世界記録を更新してしまったネイサンには圧倒されました。
これぞ「姉さん事件です

さて、本題の映画のレビューです。
ビブリア古書堂はあの月9ドラマでもやったことがありますが(その時は視聴率もあまりよろしくありませんでしたが)、今回は映画です。

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北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」。夏目漱石の直筆と推察される署名入りの「それから」を持ち込んだ五浦大輔(野村周平)は、持ち主である亡き祖母の秘密を解き明かした店主・篠川栞子(黒木華)の推理力に驚く。その後栞子を手伝うことになった大輔は、彼女が所有する太宰治の「晩年」の希少本が、「人間失格」の主人公と同じ「大庭葉蔵」を名乗る人物に狙われていることを知る。
古書にまつわる謎を解き明かす若くて美しい古書店主が主人公の人気小説を、『幼な子われらに生まれ』などの三島有紀子監督で映画化したミステリー。古書店主のヒロインと彼女の推理力に心酔する青年が、希少本を狙う謎の人物の正体に迫るさまを描く。古書の知識が豊富で推理力に長けたヒロインを『小さいおうち』などの黒木華、ヒロインを手伝う青年を『サクラダリセット』シリーズなどの野村周平が演じる。

ビブリア古書堂の実写化といえば、剛力彩芽さん主演の月9ドラマが、原作の栞子さんとあまりにイメージが違う、その他の設定もオリジナル要素が多くて原作からかけ離れているのではと物議をかもした?!ことを思い出します。今回の映画化では、黒木華さん演じる栞子さんを含め、作品全体のトーンも原作に近いものとなっていました。月9では1話完結型の謎解きが取り入れられていましたが、映画ではそうもいきませんので、原作第1巻に出てきた夏目漱石の謎とオリジナルの結末となった太宰治をめぐる謎解きが交互に出てきて、主人公の五浦くんにとっては過去と現在を行ったり来たりする展開となりました。

正直、映画が終わった瞬間に抱いた感想は
「ビブリア古書堂の『事件手帖』という割には、あんまり事件っぽさもなく、淡々とし過ぎているなぁ」
というぼんやりしたものでした。
なんだか盛り上がりが足りない気がして仕方がなく、サザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」も、既に「鎌倉物語」という名曲があるのになんだかなぁ…という気がしてしまったのです。

でも、時間が経つにつれて作品の情緒がじわじわと染み込んでくる感じがしてきました。五浦くんのルーツにも関わる「祖母の恋」と夏目漱石の謎は、セピア色に感じてしまう美しいストーリーだし、現在進行形の太宰治の謎では、五浦くんの葛藤が伝わってきて、謎解きよりロマンス要素が強い。それはそれでアリな展開なのでは、と思えてきました。制作にハリウッドの20世紀FOXが加わっているのが関係しているのかもしれませんね。
それにしても、古本屋といえばBOOK・OFFの人が多いと思いますが、電子書籍の普及もあり、古本自体を目にすることが少なくなりつつあるのではないでしょうか。そのうち、古書は研究対象としてしか扱われなくなるかもしれませんね。