As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

スポットライト 世紀のスクープ

1ヶ月前はまだコートを着て出かけることもあったのに、長袖を着ることもほとんど無くなってしまいました。この時期は日中と朝晩の気温差が大きく、まだ暑さに慣れていないので熱中症にはもっとも注意しないといけないのですね。

さて先週の「ルーム」に続き、2週連続で洋画鑑賞となりました。
前回は「アカデミー主演女優賞」でしたが、今度は「アカデミー賞 作品賞&脚本賞」です

イメージ 1

スポットライト 世紀のスクープ  監督:トム・マッカーシー

2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。
アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描くスリリングな社会派ドラマ。カトリック系住民が多いボストンで、神父による児童への性的虐待事件を暴露した新聞記者らの困惑と共に、次々と明らかになる衝撃の真実を描き出す。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのマイケル・キートンが記者を好演。複雑に絡み合う事件の根の深さに慄然(りつぜん)とする。

新聞社内で記者たちが繰り広げる群像劇、以前に見た「クライマーズ・ハイ」を思い起こさせるものがありました。瞬間瞬間に物語が動いて、緊迫感を持ったまま「世紀のスクープ」の報道につながったと思います。

宗教に関して意識が比較的希薄といわれる日本では、宗教に関するニュースは「新興宗教」や「カルト教団」等が多いかと思います。世の中を震撼させた○ウム事件はもう20年以上の前のことなのに鮮明に覚えています。

しかし、この作品の舞台となったボストンもそうですが、キリスト教がメジャーな宗教の地域では、教会は地域コミュニティーの中核であると思います。ましてやカトリックだとローマ法王を頂点とする権威と伝統があり、それは絶対的なものでしょう。このスクープが真実であると読者を納得させるのは並大抵なものではない、社会を敵に回しても世の中に真実を伝える使命のもと、新聞社のメンバーのはたらきが光ったのですね。

日本の人口に占めるキリスト教徒の割合はわずか1%だそうですが、ミッション系の学校や大学が多かったり結婚式は教会式が人気があるなど、全く触れたことのない人はそれほど多くないと思います。そしてキリスト教徒とは慈悲深く品行方正で知識人ではないかと勝手な思い込みもありそうです。だから、カトリックの神父による子どもへの性的虐待事件…にわかには信じがたいものです。当時このニュースが現地でどれほどの衝撃を持って受け止められたのか、なかなか想像が難しいです。

そうそう、日本にもこの新聞社のようにすばらしい情報収集力で芸能人の不倫から政治と金の疑惑まで、次から次へ新事実を世に知らしめているメディアがありますね。昨今世間を騒がせている都知事問題もスゴいですよね、センテンス・スプリング(笑)