新聞記者
旅行、料理教室の記事の後は、また映画レビューに戻ります。
この作品を見たのは「天気の子」を見た翌日。娘が渋谷に行きたいというので連れていって、メインのイベントに参加している間にユーロスペースで見ていたのです。
東都新聞の記者・吉岡(シム・ウンギョン)は、大学新設計画にまつわる極秘情報の匿名FAXを受け取り、調査を始める。日本人の父と韓国人の母を持ち、アメリカで育った吉岡はある思いから日本の新聞社に在職していた。かたや内閣情報調査室官僚の杉原(松坂桃李)は、国民に尽くすという信念と、現実の任務の間で葛藤する。
東京新聞記者・望月衣塑子の著書を原案にしたサスペンスドラマ。国家の闇を追う記者と若手エリート官僚が、それぞれの正義を貫こうとする。『怪しい彼女』『操作された都市』などのシム・ウンギョンと、『娼年』『孤狼の血』などの松坂桃李が共演。『オー!ファーザー』『デイアンドナイト』などの藤井道人がメガホンを取る。
もちろん、松坂桃李くんが主演だ！ということに牽かれて見ることにしたのですが(笑)、いやはや、ユーロスペースで上映する作品にふさわしい重厚なものでした。女性記者吉岡を演じたシム・ウンギョンさんの日本語のセリフも自然な感じでしたね。日本の若い女優さんを起用するよりも、韓国人女優さんを起用して日本と韓国のハーフでアメリカ育ち、という設定にしたことでかえってリアルさが増しました。
それにしてもこの作品に出てきた大学新設の話、なんだか現実の日本でわりかし最近起こった出来事によく似てるなぁ、こりゃ地上波でのドラマにはできないよね、映画だからここまで攻められるよね、という感じです。オンライン記事のコメントやSNSで拡散する意見は、どこかで作られた世論なのだろうか？とぞくりとしました。吉岡記者によるスクープがせっかく一石を投じたのに、守るべき家族がいる杉原は、最後には官僚として「長いものに巻かれる」しかなかったのでしょうか。最後のセリフは何だったのだろう？それは、知らない方がいいのかもしれませんね。
