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メアリーとエリザベス

明日からは8月です。が、映画のレビューは3月のモノです。


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ふたりの女王 メアリーとエリザベス

監督:ジョーシー・ルーク 主演:シアーシャ・ローナンマーゴット・ロビー
18歳で夫のフランス王を亡くしたメアリー・スチュアート(シアーシャ・ローナン)は、スコットランドに帰国して王位に就くが、故郷はイングランド女王エリザベスI世(マーゴット・ロビー)の支配下にあった。やがて、メアリーが自身のイングランド王位継承権を主張したことで両者の間に緊張が走る。さらにそれぞれの宮廷で生じた内部抗争などにより、ふたりの女王の地位が揺らぐ。

スコットランド女王メアリー・スチュアートイングランド女王エリザベスI世の波瀾(はらん)万丈の人生を描いた伝記ドラマ。『ブルックリン』などのシアーシャ・ローナンがメアリー、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』などのマーゴット・ロビーがエリザベスI世を演じるほか、ジャック・ロウデン、ジョー・アルウィンガイ・ピアースらが共演。数多くの舞台演出を担当してきたジョーシー・ルークが本作で長編監督デビューを飾った。

原題は「Mary Queen of Scots」
日本ではエリザベス1世の知名度が高いせいなのか「ふたりの女王」の題名になっていますが、スコットランド女王であるメアリーに主眼をおいたドラマです。

この時代のイギリス(イングランドスコットランド)では王位継承が目まぐるしく、世界史を専攻していないとわかりづらいことが多いんですよね。メアリーという女王も実は同時代に2人いまして…1人はエリザベス1世の異母姉であるメアリー(プロテスタントを徹底的に弾圧し、ブラッディメアリーの名で知られている)、もう一人がこの映画の主人公であるメアリーです。

エリザベス1世にとっては従姉にあたるのですが、このメアリーが最初の夫であるフランス王と死別し、スコットランドに戻ってくるところから物語が始まるのです。

エリザベス1世は、国家と結婚したと宣言し生涯独身でしたが、天然痘を煩い素顔を隠し続けた苦悩が伝わってきます。一方のメアリーは、スコットランドに戻ってきてからは恋愛にも身をおとして、いっときはスコットランド女王として、またカトリック教徒の王位継承者として存在感を現したにも関わらず、最後は政治的な立ち回りができずに処刑される運命が待っていました。

イギリスの絶対王政はエリザベス1世の時代に確立するのですが、彼女には世継ぎはなかった。そのためにメアリーを母に持つ王子がイングランド王として即位し、その血筋は現在のイギリス王室につながっているので、なんとも皮肉な話にも見えてしまうのです。