As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ブーリン家の姉妹

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これも、この秋見たいな~とひそかに注目していた映画です。
娘を送り出したあと、10時からの上映に間に合うように急いで出発。今日は「ららぽーと横浜」内にあるTOHOシネマズに行きました。レディスデーでないので、正規料金を覚悟していたらなんと「モーニング料金」とのことで、前売りと同じ値段1300円で見ることができたのです♪


16世紀のイギリスの宮廷を舞台に繰り広げられる愛憎劇。どちらも国王の寵愛を受けながら、まったく異なる道を歩むことになる美しい姉妹の劇的な人生を鮮やかに映し出す。後にイギリスに黄金時代をもたらしたエリザベス1世の母の壮絶な生涯に息をのむ。

16世紀、イングランド国王ヘンリー8世(エリック・バナ)には男子の世継ぎがなかった。いら立つヘンリーが愛人を求めていることを知った、野心家のブーリン卿(マーク・ライアンス)は聡明な長女のアン(ナタリー・ポートマン)を愛人候補に仕立てる。だが王が目に留めたのは、結婚したばかりの気だての良い次女メアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。

「ブーリン家って何?」と思っていたのですが、世界史で有名なイギリスのエリザベス1世の母であるアン王妃を輩出した家だったのですね。
1人の男(国王)への愛をめぐる姉妹の愛憎劇。先に愛された妹のメアリーは、ただ1人の男として国王を愛した。ブーリン家の娘が国王の世継ぎとなる男子を産めば、一族に栄華をもたらすとメアリーの夫ですらそのことを待ち望む。しかし妊娠したメアリーの体調の悪化から、国王の寵愛はあっという間に薄れていく。そして、チャンスがめぐってきた姉のアンが目指したのは、王妃という立場であった-

これはまさしく「大奥・イギリスチューダー王朝編」とでも呼べそうな設定です。


アンは王妃の座につく為に、既に王妃となっているキャサリン・オブ・アラゴンと国王ヘンリー8世を離婚させようとします。しかし当時のイギリスはカトリック教会を信仰。ローマ教皇は離別を認めません。そのため、ついにイギリスはローマ教皇と決裂し、プロテスタント寄りのイギリス国教会が成立するのです。アンの名前が歴史に残っているのは、イギリス国教会成立という宗教上の大きな事件の立役者であったからですね。

それなのに、歴史は皮肉なこと。アンの産んだ子供は王女、次の妊娠は流産ー国王ヘンリーの苛立ちは募り、他の愛を見つけて去っていき、そればかりか彼女の運命は…一方宮廷を去った妹メアリーは歴史を紐解いてもほとんどその名は出てきません。平凡な幸せを見つけて…ヘンリー8世が最後まで危惧していた世継ぎの問題は杞憂に終わり、アン・ブーリンの産んだ王女は後にエリザベス1世として黄金時代を築きあげるのです。

時代や世の東西を問わず、人間の欲望や歴史がどんなところで作られていくのかは変わらないものなのですね。そして、その時代に生きた人はその中で真剣であったということ。アンの壮絶な生き方も、篤姫の生き方も、時代も国も違うけど、彼女の生きる道を精いっぱい生ききったと思います。

しかし・・・それにしても、このヘンリー8世という王様、次々と女性をまあ・・・見初めて、愛して、自分のものにして、飽きたら去る?!率直に、あまりイケてる王様には見えなかったんですけど。
去年見た「マリー・アントワネット」のルイ16世もイケてなかったですが、このイケてなさの演技もなかなか魅力あったりもして。
ちなみに、ウィキペディアによるとヘンリー8世はイングランド王室史上最高のインテリなんだそうです。