As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

長いお別れ

映画のレビューを続けます。
9月までの平日は毎日出勤していましたので、映画を見た本数も少ないです。
こちらは6月に見たものです。

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長いお別れ 監督:中野量太  主演:山崎努蒼井優竹内結子

2007年、父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日で久々に帰省した長女の麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)は、厳格な父が認知症になったことを知る。2009年、芙美はワゴン車でランチ販売をしていたが、売り上げは伸びなかった。麻里は夏休みを利用し、息子の崇と一緒に実家へ戻ってくる。昇平の認知症は進行していて、「帰る」と言って家を出る頻度が高くなっていた。
直木賞作家・中島京子の実体験に基づく小説を、『湯を沸かすほどの熱い愛』などの中野量太監督が映画化。認知症の影響で徐々に記憶を失っていく父と、彼と向き合う家族を描く。認知症の父を『モリのいる場所』などの山崎努、家族を『彼女がその名を知らない鳥たち』などの蒼井優、『春の雪』などの竹内結子、『ゆずの葉ゆれて』などの松原智恵子が演じるほか、北村有起哉中村倫也らが共演。

教師だった父が認知症を発症し、10年近い時間をかけて徐々に進行していく…緩やかな時間の流れを山崎努さんが見事に演じていたのが素晴らしかったです。そして、家族それぞれの時間が経過し、それぞれのドラマが描かれています。夫の仕事についてアメリカへ移住した長女は夫、息子との関係に苦しみ、自分のカフェを持つことを夢見る次女は、現実との狭間や彼との別れを経験していきます。
現実には、10年近い認知症の介護を施設入所もなく家族だけで行うのは至難の技で、現実にそうしたら子どもたちがそれぞれの人生を生きるのは不可能ではないか?やはりこれはきれいごとを描いてないか?と思うのですが、それらのツッコミを吹き飛ばしてくれたのが、徐々に、徐々に「恍惚の人」となっていく山崎努さんでした。
むしろ、竹内結子さんは10年近くアメリカに住んでいるんだから、少しは英語上達しようよ、と思ったのでした。