任侠ヘルパー
この作品はドラマ版を見ていたこともあって楽しみにしていました。
暴力団の隼会から脱退し、堅気となってコンビニ店員として働く翼彦一（草なぎ剛）。強盗に入った老人に店の金を渡したことから刑務所送りになった彼は、獄中でその老人・蔦井雄三（堺正章）と再会。元極道であった彼は彦一に、コンビニの件の礼として出所後に自分と兄弟分だった極鵬会の組長・朝比奈（宇崎竜童）を頼れるように手はずを整えてくれる。出所したものの、身を寄せる場所のない彦一は、朝比奈を訪ねることに。だが、彼から破産した老人たちを劣悪な介護施設に放り込み、年金や生活保護費を絞り取るシノギを強いられる。
ヤクザが介護ヘルパーとして働くという奇抜な設定などで人気を集めた、テレビドラマ「任侠ヘルパー」の劇場版。老人介護施設に勤めることになったヤクザが、福祉事業の利権を狙う悪たちに怒りを爆発させていく姿を追い掛ける。テレビドラマ版に引き続き、草なぎ剛が主人公を熱演。『HOME 愛しの座敷わらし』の安田成美、『劔岳 点の記』の香川照之、『前橋ヴィジュアル系』の風間俊介ら、バラエティー豊かな顔ぶれが脇を固めている。主人公の奮闘に加え、貧困ビジネスの問題などを取り上げたテーマ性にも注目。
３年前にドラマ版を見た時に「設定的にありえない。ヒットするのだろうか？」と思って見始めたら一番ハマってしまったドラマだったので、今回も期待を裏切らないだろうな～と思っていました。
今回は極道らしい設定のほかに、貧困ビジネスや観光客が離れてしまって過疎化と高齢化が進む町などドラマ版よりも現実感があって、シリアスな話になっていました。総じて「明るく、ハッピーな話」ではないのですが、130分以上の長丁場をあまり感じさせなかったです。
彦一も、香川照之さん演じる八代さんも、とにかく自分の信念に向かって一本道をひた走っていくんですよね。
そこへ暴力団組織が関わってくるから、ボコボコの血みどろになってしまうんだけど、そこで筋を通すのが彦一なんです。オープニングも、エンディングも、最後は警察に見つかってトンネルの中を走る。その繰り返しも面白い作りだなぁと思いながら見ていました。
草なぎ君は、「僕の生きる道」シリーズの時と「翼彦一」を演じている時では、全然違っています。
いや、たぶんそれができるのが俳優さんなんですが、同じSMAPのキムタクが「何をやってもキムタク」になってしまうことを考えると、草なぎ君は一皮向けた役者さんなんだなぁ、と思えるのです。
それから安田成美さんを見たのは久しぶりなのですが、やはり年を重ねられているなぁ・・・とは思えましたよ。
