As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

はじまりのみち

この連休もほんっとうに暑さ続きでした・・・が、今日は久しぶりに暑さが和らぎましたね。
連休中は遠出はしませんでしたが、コンサートでいやされたり、娘に付き合ってポケモン映画を見てきました。
ポケモンについてはまた後日ということにして、今日は6月に見た映画のレビューをいい加減忘れないうちに書いておきます。
 
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はじまりのみち 監督:原恵一  主演:加瀬亮ユースケ・サンタマリア
 
戦時中、監督作『陸軍』が戦意高揚映画でないと軍部からマークされてしまった木下恵介加瀬亮)は、次回作の製作が中止となってしまう。そんな状況にうんざりした彼は松竹に辞表を出し、脳溢血で倒れた母たま(田中裕子)が治療を行っている浜松へと向かう。戦況はますます悪化し山間地へと疎開すると決めた恵介は、体の不自由な母をリヤカーに乗せ17時間に及ぶ山越えをする。
二十四の瞳』などさまざまな傑作を世に送り出し、日本映画の黄金期を築いた木下恵介監督の生誕100年記念作。戦時中、同監督が病気の母を疎開させるためリヤカーに乗せて山越えしたという実話を軸に、戦争という時代の荒波に巻き込まれながらも互いを思いやる母と子の情愛を描く。『河童のクゥと夏休み』などで知られる日本アニメ界で著名な原恵一が監督を務め、初の実写映画に挑む。若き木下恵介役には加瀬亮、母たまを田中裕子、恵介の兄・敏三をユースケ・サンタマリアが演じる。

加瀬亮さんって、何か気になる演技をするのです。その加瀬さんが主演で、レビュー評価がやたらと高い作品がこちらでした。
戦況が悪化して、浜松からさらに山間部に疎開するのに病気で寝たきりのお母さんをどうやって移動させるのかということで、お母さんをリヤカーに乗せて主人公とその兄、便利屋が急な山越えをする、というストーリーです。
周囲から無謀だと言われた通りに、途中の道は大変で、便利屋も無茶すぎると文句を言います。この便利屋さんがなかなかいい味を出していて、ちょうどこの時に便利屋さんが出てくる小説「まほろ駅前多田便利軒」を読んでいたので、便利屋さんに肩入れして見てしまいました。
長編映画にしては短めの90分、エピソードは山越えの3日間、淡々と物語が進んでいくのですが、息子が母を思う気持ち、母が息子を思う気持ち・・・そして依頼人がまさか映画監督であるとは夢にも思っていない便利屋くんが「陸軍」に感動したことを何気なく話し・・・「陸軍」の最後のシーンが丸々挿入されるのですが・・・
母と子が互いを思う気持ちがスクリーンを通して感動を呼び、そして木下恵介監督は戦後に再び監督として、その後は黒澤明監督と並んで数々の傑作を生み出していきます。
私が物心ついた時には、黒澤監督の名前は知られていても木下監督のことが話題になることはほとんどなく、木下惠介監督の作品を見ることもなく、ただ加瀬亮さんが出るという理由だけで見た作品でしたが、もっと多くの映画館で上映したらいいのにと思うほどキラキラ光っている作品でした。
夏休みには、木下監督の代表作である「二十四の瞳」をドラマにリメイクしてオンエアするそうなので、ちょっと見てみたいですね。