As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

どうして・・・

今日は会社時代の友人の家に遊びに行きました。
子供同士を遊ばせつつ話が盛り上がり、この秋の人事異動で私のかつての上司が異動になったとか、有能だった後輩君はライバル会社に転職してしまったとか、とある上司が不倫しているんだとか・・・
そんな冗談めいた話の中、ふと私は気になっていたことを聞いてみました。
「休職されていたAさん、お元気になったの?」
Aさんは同じ部署ではなかったのですが、仕事をしていた時に数回ご一緒したことがあった管理職の女性です。いかにも「キレる女性」といった感じの有能な方でした。
私が会社に出勤していたのは昨年5月までですが、もちろんAさんは当時もバリバリ仕事をされていました。退職の際にはご挨拶に伺おうと思っていながら、入院してしまったためにそれもかなわず心残りになっていました。そのAさんが病気で休職されたと聞いたのは半年くらい前のことでしょうか。

私が聞いたのは、もっとも聞きたくない答えでした。
「先日、亡くなったのよ」と。
Aさんのご病気は乳がんではありませんでしたが、やはりがんだったそうです。少なくとも去年の秋までは全くお元気そのものだったとか。それがちょっと体調を崩されて病院に行ったところ「ただ事ではない」それから入院まではあっという間で、すぐに意識不明の重態に陥られてしまったのだそうです。
ご自身で体調の変化に気づかれた時、がんはもはや手がつけられない状態になってしまったのです。
会社の健康診断でも、年齢的にまだ検診の対象外、そういうことも早期発見を遅らせてしまったのでしょう。
私が会社に入社してから退職までの期間、がんになってしまった社員は何人もいました。早すぎる病気の進み方に早期発見も治療も追いつくことができずに旅立たれていきました。
これがまだ現実であると認めなくてはいけないのでしょうか?
どうしたらこの現実を減らすことができるのでしょうか?
それでも私はがんの手術を受けてから5年の年月が過ぎ、子供ももうけることができました。
自分が今生かされていることには、必ず意味があると思うのです。
私の人生は少なくともあの5年前にある意味リセットされたと思っています。目の前が涙でかすみそうになりながらも、だからこそ自分は生き抜いていかなくてはいけない、と今日は強く思いました。

Aさんを含め、これまでがんになってしまった方は入院などのために休職された後、戻ってこられることなく亡くなられました。その中には乳がんで旅立たれた人もいます。
亡くなられると「がんでした」と報告がされ、みんな「若いのにねえ」なんて言っていたものです。
がんというのは、まだまだそういうものであると普通に認識されていたのですね。
でも、私はがんだというのに職場に戻ってきました。みんなが「若いのにねえ」という認識だった病気の社員が戻ってきて仕事をする-事情を知る上司の立場では私は本当に「やりづらい」社員だったと思うのです。病気と共存しながら会社にいること・・・そういうことが普通になるにはまだまだ時期尚早だったのかもしれません。そんなことを考えると、私が在職できたのは1年前にやめた時で限界だった、やはり私にはもはやあの会社に居場所はなかったな、と改めて思うのです。