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乳がん体験者コーディネーター養成講座

連日の厳しい寒さがちょっと和らいだ今日、青山の東京ウィメンズプラザまで、
キャンサーネットジャパン/日本医療コーディネーター協会/NPOブーゲンビリア/ソレイユ 4団体共催の「乳がん体験者コーディネーター養成講座」に参加してきました。
会場となったホールは満員の大盛況でした。

この講座が企画された趣旨は、乳がんの治療法が近年多様化しており、それに基づき患者自身による治療法の選択が求められてきていますが、医師と患者の間には依然として溝があり、それを埋めるための架け橋として乳がん体験者コーディネーター」を養成しようというものです。もちろんこれまでも患者さんからの医療相談、心理的、精神的なケアの担い手として腫瘍看護師、ソーシャルワーカー、医療コーディネーター、カウンセラーなどの専門職の方々がいますが、人数不足は深刻です。そこで、「患者の気持ちを経験している」乳がん体験者が人材となりうる、そのために講習会で最新の乳がん治療に関する知識を学ぼうという、ということでした。

まず前半は、乳がんの標準治療について診断、手術、放射線治療それぞれ担当の医師より講義がありました。休憩をはさんでの後半では、「コーディネーター養成ロールプレイ」ということで、乳がんを告知された患者さんが医療コーディネーターのもとに治療法について相談に訪れる、という寸劇を元に話を膨らませていきました。

乳がんの標準治療については、私にとっては既に知っている知識が多く、改めて自画自賛ながら、「VOL-Netの勉強会と『乳がん治療のフローチャート』や『用語集』ってすごいわ~」と思ってしまいました。
また、ロールプレイについては、

1.コーディネーターとしてどのようなことに気をつけて患者の話を聞くのか

2.患者さんが抑うつ状態に陥ってしまった場合、どのようなアドバイス法があるのか(1つの方法として「辛い気持ちを話すこと、聞いてもらうことの効果の大きさ」がありました)

3.医師とのコミュニケーション術(患者の側からのはたらきかけ)

4.外科医をはじめとする医師の第一使命は「EBMに基づき最良の医療水準のものを与えること」であり、それ以上のことはなかなかできないのが実情である

5.治療費などの経済的な問題

などなどどんどん話が膨らんでいきました。
壇上のチューターの先生方を中心に、会場に集まった人からも発言が起こり、時には笑いも起こりながらあっという間に時間が過ぎました。

私が今回の講座で特に印象に残ったのは、
・医療者(医師)は『数値化されたデータ』で考えるものであるが、患者は体験者の『生の声』を聞きたい、そのために『患者さんの声を主治医に伝えることができる正しい知識を持った』コーディネーターが求められている

乳がんコーディネーターの資質とは知識、経験、情熱、そして『客観的判断ができる人』であること、『自分が体験したことが全員に当てはまるものではないこと』、それをしっかり自覚して客観的なコーディネートができることが重要です

ということでした。
この講座は、今後2年間かけて6回行われ、また今回共催している団体主催の勉強会もあり、コーディネーターになるための勉強は生涯学習として更新していくことが必要です。
私の1つのスキルとして身につけたい、という思いと、今後私自身が患者会のスタッフとしてこれから治療を受ける患者さんに接する時に「しっかり患者さんの話を聞くことができて、なおかつ客観的に考えていけるようになりたい」、そして「養成講座を終了した時に、何らかの形で実践的に役立てることができれば」という思いを新たにしました。

そうそう、
お昼に入った鎌倉パスタなかなか美味しかったです。お箸で食べる和風パスタ、って雰囲気が、かな。