As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

鼻の穴

今年最初の通院は、喘息外来です。


まずは恒例の「呼吸機能検査」を受けてから診察ですが、ずいぶん待たされてしまい、持ってきた本(200ページ以上あった)を読み切ってしまいました。

特に自覚症状のない喘息なのですが、喘息の主治医の女医H先生はやはり気になる様子です。この病院に来るまでは「私からの口頭での申告」だけで診断していた主治医ばかりですが、今の先生は呼吸機能検査のデータを大切にします。

「やっぱり、数値が良くなってないのよねえ。抹消の気管の閉塞が改善されていないのかなあ」

とおっしゃいます。この病院にかかり始めてから、自覚症状の無さ(発作もなく、日常息苦しくもなく毎日を過ごしている)の割に呼吸機能の数値が悪いことが判明し、幼い頃からの発作で慢性的に気管に炎症が残っているだろうと言われてきました。喘息の患者さんは、発作が起きなくなっても「喘息予備軍」のままであり、一生付き合っていかないとならないのです。乳がん同様、私は「一病息災」では済まないのかも。まあこんなカラダにはもう慣れっこですが。
そして吸入ステロイドや気管支拡張剤を本格的に使い出したのですが、4年ほど経ってもデータは良くもなければ悪くもなっていませんでした。

そこで先生は、これまでの薬以外に新しい薬剤を試してみようとおっしゃいました。より細かい薬剤の霧が出るので気管の奥まで薬が届くというものです。

そして「あなた、鼻よりも口で呼吸してるわね。もしかしたら鼻の通りも良くないかもしれない。私の信頼してる耳鼻科医の先生がいるから診てもらうのはどうかしら」と紹介状を書き始めました。喘息で気管に炎症がある患者さんは、鼻や咽頭にも炎症を持っていることが多いらしいのです。

かくして、いつもの病院での診察と薬の処方の後、その足で先生に紹介された耳鼻科のクリニックに行くことになりました。

そのクリニックは紀尾井町にありました。
私は大学時代に日経関連会社のとある専門雑誌の編集部でバイトしていたことがあります。たま~に「編集部の打ち上げ」に記者さんたちに連れて行ってもらい、紀尾井町の高級そうな飲み屋に入り、学生の分際で来るような場所じゃないとビビっていた思い出があります。それ以来ですね。ここに来るのは。

そんなことを思い出しつつ、きれいなクリニックの待合室でしばし待つことー

先生は紹介状に目を通し「今は特に何かあるわけじゃないですね」とおっしゃいました。確かに、去年の秋は鼻炎の薬が手放せませんでしたが、ここしばらくは薬も飲んでいません。

そしていよいよファイバースコープを右の鼻の穴から中に突っ込みました。

次いで左、それから喉、さらに鼻の奥を掃除してからもっともっと奥へとファイバースコープを入れて写真を撮りました。遂に鼻から入れたファイバーは喉に達してしまいました。うげえっという感じです。

こうして35年近く生きてきて、初めて自分の鼻の穴をリアルに見たワケですが、喘息の先生が予測したような結果になりました。

私の鼻の中の粘膜は、重度の花粉症の患者さんみたいに肥厚していたのです。

これまで「春先にくしゃみや鼻水が止まらない」という典型的な花粉症の症状は出ていなかったのに…慢性的な肥厚のために空気の通る穴も小さくなっています。
また、副鼻腔の炎症はないので「慢性の蓄膿症」ではないことがわかりました。

さらに、喉にも慢性的な炎症があります。私はよく「喉がかゆい」と感じることがあるのですが、おそらくこの炎症によるものでしょう。鼻も喉も感染による炎症ではなく(感染症の時は症状が強いので)慢性的な肥厚によるものだそうです。
喘息の患者さんは気管だけでなく鼻や喉も肥厚性の炎症がおきやすく、花粉症を発症する以前に慢性の鼻炎になることがあります。肥厚性の炎症では、自覚症状がないことも多いのです。鼻から空気が吸えなければ、当然気管にも届かないのです。

私は子供の頃よく母から「口をポカンと開けてばかりよ」と注意されましたが、当時から喘息は発症していましたから、鼻の穴も狭まって空気があまり吸えていなかったのかもしれません。

30年近く経ってから明かされる真実?!ですが。


とりあえず今後は喘息外来とセットでこの耳鼻科を受診することや、急性の鼻炎の際は近所の耳鼻科の先生にも鼻の穴の写真を見せて抗炎症剤で対応してもらうことになりました。

ちなみに鼻の穴写真はちょっとグロテスクなのでブログにはアップしないから安心してくださいね。