As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

VOL-Net会員限定勉強会

 
今日は久しぶりにVOL-Net主催の勉強会「VOLVOL課外ゼミナール」に出席しました。
(9月の放射線の勉強会は運動会予備日だったこともあり出られなかったので)

今回は「メンバーズイベント」となりましたので、会員さん限定の会です。
VOL-Netのメディカル・サポーターであり、もう何度か講演をいただいている神奈川県立がんセンターの清水哲先生を講師にお迎えして、ざっくばらんなゼミナールを行いました。

参加してくださった方が個別に質問をして、先生がそれに回答していくスタイルは初めてだったのですが、質疑応答を繰り返していくうちに、昨今の乳がん治療をめぐる動きを一望でき、大変有意義な会になったと思います。

私が手術を受けた頃から、術後の補助療法のガイドラインを決める為の「ザンクトガレンの国際会議」というものがあり、2年に一度の会議で決まる「ザンクトガレン・コンセンサス」が術後の治療法の指針となっていきますが、もうすっかり様変わりしました。今年の会議による「サブタイプの分類表」が出ているサイトについてリンクしておきます。→http://www.jmedj.co.jp/c/breastcancerICG
11年前の私の頃は、腫瘍径やリンパ節転移の有無、ホルモン受容体の発現の有無が大きな因子でしたが、今では、ホルモン受容体発現の有無は残っているもののそれ以外はHer2発現の有無、ki-67遺伝子発現の度合いに寄って違うなど、私も改めて学ぶことになりました。

特にki-67については関心が高く、その発現の意味するものについてきちんと確認することになりました。

また、今回の先生の言葉で印象に残ったことは乳がんは短期決戦のように治療するのではなく、予後の長い生活習慣病として付き合っていくことの大切さをおっしゃっていました。術後10年以上経っても解放されないのは正直しんどいと思うことはあるけど、喘息やぶどう膜炎と同じように付き合っていこう…

そして、先生の話はがん拠点病院と地域医療連携の現状と問題点、
ザンクトガレンはお馴染みですが「再発進行乳がんの治療のガイドライン」を作ろうという動きがあり、第1回の国際会議がポルトガルリスボンで開かれたことをリスボンの観光風景(バスコ・ダ・ガマなんて歴史の授業を思い出す名前も出た)も交えて説明してくださりました。
まさに先生のお人柄も感じられた「ざっくばらん」な会だったと思います。

最後に私が「今年承認された新薬」について質問させていただいたのですが、承認されたばかりの新薬は、術後補助療法ではなく再発時での使用から始まっていきます。だからアジュバントですぐに使われることはありません。

そのうちの1つ「エリブリン(商品名はハラヴェン)」は国内で開発されたものです(エーザイ株式会社)。
その由来は、なんと三浦海岸に生息している「クロイソカイメン」由来の物質です。
タキサン系抗がん剤はイチイの木由来ですし、天然物には抗がん活性を持つものが結構あるのですよね。
でも、今の新薬開発は「ゲノム創薬」ターゲット分子を見つけて、化合物ライブラリーから数多くの物質をスクリーニングしていく方法が多いですが、エリブリンは天然物からの創薬としては最後の世代となるのでは?という話でした。
 

イメージ 1勉強会が終わった後、夫と娘が友人宅に遊びに行っていたので、夕飯を一緒に食べてから帰りました。
途中上野駅で乗り換えたので、これぞ上野限定!と買ってしまったデザートがこちら。
 
パンダのロールケーキ
ココアスポンジにチョコレートと生クリームで飾りつけ。ロールケーキの中身はココアクリームなんですよ。